くちびるに歌を

中田永一

長崎の五島列島にある中学校の合唱部の、コンクールまでを描いた小説。
男子と女子の対立、恋愛、悩み、自分との葛藤…、まさに青春の1ページを切り取った、そんなお話です。

私の母校の中学では、校内合唱コンクールが毎年あって、この小説のようにいろいろ乗り越えながら合唱がまとまっていく、というのを経験しています。
懐かしくなりました。

その母校で、教育実習中に行われたコンクール。担当のクラスの子たちに送った、励ましの言葉を思い出したり。←今まで忘れてたのに!
曲はたしか『My Revolution』。
うわー、懐かしい!(笑)

そんな思い出はなくても素直に楽しめて、ちょっと胸が熱くなる作品です。
似た感じだと、宮下奈都の『よろこびの歌』もとってもいいですよ。超オススメ。


中田永一の作品は初めて読みました(別名義も含めて)が、簡単に世界に引き込まれましたね。
今まで敬遠していた、別名義の作品も読んでみたくなりました。

舞台がなぜ五島なのか?と疑問に思って調べてみました。
作中に出てくる『ラピュタの背景などを描いた五島出身の人』を、中田さんは大好きなようですね。五島支援プロジェクトを広めるためにこの作品を書いたのかな、と思われます。
自分の才能を、好きなアーティストの好きな土地のために使う、ってなんだかいいな、と思いました。